この記事でわかること:
- HP Victus 15 RTX 5060の実際の性能と、知っておくべき制限
- 「RTX 5060搭載」でも気をつけるべきGPU電力制限の話
- ゲーム・配信・動画編集用途に向いている人・向いていない人
きっかけは「そろそろゲームも動く環境が欲しい」という話
私はプログラマーの傍ら、副業でKindleの本を書いている。
メイン作業はコードとテキストなのでゲーミングノートは縁がないと思っていた。ただ、気分転換にゲームをしようとすると古いノートでは高設定が動かない。Zoomで仕事しながらちょっとゲームを試す、という使い方もできない。
そこで選んだのが、HP Victus 15 RTX 5060搭載モデル(型番:BS7L0PA-AAAA)だ。
正直なデメリット【購入前に必ず知っておくべきこと】
GPU電力が80W前後に制限されている(実測レビューによる報告)
これが最大の注意点だ。RTX 5060 Laptop GPUの最大TGP(消費電力)は115Wだが、複数の海外実測レビューによるとHP Victus 15はこれを80W前後で動作させているという報告がある。結果として、フル電力で動くRTX 5060搭載機と比べると7〜20%程度の性能低下が発生するとされている。
なお、HPが公式にTGP値を公表しているわけではないため、あくまで実測レビューに基づく情報だ。同じ「RTX 5060搭載」でも80W版と115W版では実際のゲーム性能に差がある。他メーカーとの比較時はTGP設定も確認したほうがいい。
ディスプレイの色域はsRGB 62%
これも見落としがちな点だ。15.6インチ FHD 144Hzという仕様は悪くないが、色域がsRGB 62%しかない。動画視聴やゲームのグラフィックの色が薄く見える。動画編集で色を正確に確認したい用途には向かない。
また応答速度は17msと遅め。高速な動きの残像が気になる場合がある。
MUXスイッチ非搭載
MUXスイッチとはGPUをディスプレイに直結してパフォーマンスを引き出す機能だが、このモデルには搭載されていない。Adaptive Syncも内蔵GPU経由での動作になる。ゲームのフレームレートを最大限引き出したい場合は外部モニターへの出力を推奨する。
重量2.29kg、ゲーム中はACアダプター必須
毎日持ち運ぶには重い。バッテリー駆動中の本格ゲームは想定されていない設計で、ゲームをするときは電源を繋ぐのが前提だ。
USBポートは3本のみ
USB-C×1(映像出力・PD対応)、USB-A×2の構成。周辺機器が多い場合はUSBハブが必要になる。
実際に使ってみた感想
第一印象
外観はゲーミングノートにありがちな過度なRGBがなく、「パフォーマンスブルー」と呼ばれるシンプルな配色だ。大学やカフェに持ち込んでも浮かない。重さ2.29kgは毎日持ち歩くには少し重いが、週末のゲーム用・部屋置きメインなら許容範囲だと思う。
ゲーム性能
GPU電力80W制限という条件付きだが、フルHD(1920×1080)での軽〜中量級ゲームは快適に動く。
海外レビューのベンチマークによると、フルHDでの実測値はおおむね以下の水準だ。
- Rainbow Six Siege:100FPS以上(高設定)
- Black Myth: Wukong:60FPS前後(高設定)
- Cyberpunk 2077:ネイティブ70FPS前後(ウルトラ設定)、DLSS+フレーム生成使用で150FPS前後
DLSS 4のフレーム生成を活用すれば見かけ上のフレームレートは大幅に上がる。ただしフレーム生成はあくまで補完技術であり、入力遅延の増加には注意が必要だ。
配信・動画編集
24GBのDDR5メモリはゲーム配信には十分な余裕がある。12GB×2という構成はデュアルチャンネル動作になり、Docker+ブラウザ+IDEを同時に立ち上げるプログラマーのマルチタスク用途にも「16GBでは少し足りない、32GBまでは要らない」という落とし所として理にかなっている。OBSでの配信はCPUとGPUに分散できるため、ゲームしながらの配信で大きな負荷を感じることはなかった。
ただし動画のカラーグレーディング作業にはこのディスプレイは適さない。sRGB 62%では色の正確さが担保できないため、外部モニターを繋いで作業することを推奨する。
冷却・静音性
TGP 80W制限は性能を下げる代わりに発熱も抑える効果がある。同クラスの競合機と比べると温度は低め。ファン音は通常作業では穏やかだが、高負荷時はしっかり回る。ゲーム中はヘッドセット着用が前提と考えておいていい。
スペックまとめ
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| GPU | NVIDIA GeForce RTX 5060 Laptop GPU(8GB GDDR7、TGP 80W) |
| CPU | Intel Core i7-13620H(10コア16スレッド) |
| メモリ | 24GB DDR5 |
| ストレージ | 1TB SSD(M.2 PCIe) |
| ディスプレイ | 15.6インチ FHD(1920×1080)IPS、144Hz、sRGB 62%、応答速度17ms |
| OS | Windows 11 Home |
| Wi-Fi | Wi-Fi 6E |
| Bluetooth | Bluetooth 5.3 |
| ポート | USB-C×1(映像出力・PD対応)、USB-A×2、HDMI 2.1、有線LAN(※PD充電しながらのゲームはバッテリーが減る) |
| MUXスイッチ | 非搭載 |
| 重量 | 約2.29kg |
| バッテリー | 70Wh(ゲーム中は電源必須) |
| 価格 | ¥224,800(税込、時期・セール状況により変動) |
比較:同価格帯のゲーミングノートと比べると
| 項目 | HP Victus 15 | ASUS TUF Gaming F15(RTX 5060) | Lenovo LOQ 15(RTX 5060) |
|---|---|---|---|
| GPU TGP | 80W | 最大115W | 最大115W |
| ディスプレイ色域 | sRGB 62% | sRGB 100%前後 | sRGB 100%前後 |
| MUXスイッチ | なし | あり | あり |
| デザイン | シンプル・上品 | ゲーミング寄り | ゲーミング寄り |
| HPブランドサポート | 1年間ゲーマー専用 | 標準サポート | 標準サポート |
| 価格帯 | 約22万円台 | 同価格帯 | やや安め |
同じRTX 5060でもTGP・ディスプレイ・MUXスイッチの有無で実性能に差がある。純粋なゲーム性能を最大化したい場合はASUS TUFやLenovo LOQも比較対象に入れてほしい。HP Victusを選ぶ理由は「HPのサポート体制」「シンプルなデザイン」「冷却の安定性」になる。
こんな人に向いています
- フルHD・144Hzでゲームを快適に遊びたい人(ライトゲーマー〜中級者)
- ゲーム配信をOBSで始めたい人
- 派手なゲーミングデザインを避けたい人(大学・職場兼用)
- HPブランドの1年間ゲーマー専用サポートに安心感を感じる人
こんな人には向いていません
- RTX 5060の性能をフルに引き出したい人(TGP 115Wモデルを選ぶべき)
- 動画のカラーグレーディングや色精度が重要な作業をする人(sRGB 62%は不向き)
- 毎日持ち歩きたい人(2.29kgは重め)
- 144Hz以上のリフレッシュレートを活かして競技FPSを極めたい人(MUXスイッチなし)
- 予算を抑えて同等性能を求める人(Lenovo LOQの方がコスパ高い場合あり)
まとめ|HP Victus 15 RTX 5060は「HPサポートとシンプルデザインを重視する人向け」のゲーミングノート
RTX 5060搭載というスペックは本物だが、GPU電力80W制限・ディスプレイsRGB 62%・MUXスイッチ非搭載という3点は購入前に受け入れられるか確認してほしい。
それを踏まえた上で「フルHDゲームが快適に動けばいい」「HPのサポートが安心」「派手なデザインは要らない」という人には十分な選択肢になる。
同じ22万円台を出すなら他のRTX 5060機との比較もしてから決断する方がいい。
価格は時期・セール状況によって変動します。購入前に必ず現在の価格を確認してください。


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