最新Intel Core Ultra 9 285Hと64GB大容量メモリを搭載したGMKtec EVO-T1が、ミニPC市場に新たな基準を確立している。DeepSeek 32Bをローカルで15tok/s前後で実行し、M.2スロット3基とOCuLink対応の圧倒的拡張性でプロユーザーの要求を満足。従来のミニPCでは実現困難だったAI開発から4K動画編集、さらには外部GPU接続によるハイエンドゲーミングまで、デスクトップ級のパフォーマンスを154×151×73.6mmのコンパクトボディで実現する次世代マシンだ。
圧倒的パフォーマンス:Core Ultra 9 285Hの真実
プロセッサの核心性能
Intel Core Ultra 9 285H(16コア16スレッド)を搭載。Pコア6基、Eコア8基、LPEコア2基のハイブリッド構成で、最大5.4GHzのブーストクロック実現。TDP45Wながら本機では最大80W動作に対応し、真のポテンシャルを発揮する。
実測ベンチマーク結果(バランスモード):
- Cinebench R23: 17,524ポイント(マルチスレッド)
- PCMark 10: 6,852ポイント(総合性能)
- 3DMark Time Spy: 4,379ポイント(グラフィック)
これらの数値は同価格帯デスクトップPCに匹敵する性能を実証している。
AI処理能力の革新
NPU単体で13TOPS、CPU・GPU・NPU組み合わせで最大99TOPSのAI処理能力を発揮。標準構成でDeepSeek 32Bが15tok/s前後で動作し、ローカルAI環境として完全に実用レベルに到達。外部クラウドへのデータ送信が不要で、機密情報の処理も安心して行える。
妥協なきメモリ・ストレージ構成
大容量メモリの威力
64GB DDR5-5600標準搭載(最大128GB対応)という大容量メモリで、AI処理時のメモリ不足を完全解消。32GB×2枚のSO-DIMMで構成され、ミニPCとしては異例の容量を誇る。
拡張性の極致
M.2 2280スロット3基搭載は業界最高級の仕様。1TB SSD標準装備に加え、最大24TBまで拡張可能。PCIe 4.0対応で高速データアクセスを実現し、将来性も万全。
接続性と拡張性
豊富なポート構成
フロント: USB 3.2 Gen2×3、USB-C、電源ボタン、3.5mmオーディオ
背面: HDMI 2.1、DisplayPort 1.4、USB4×2、OCuLink、USB 3.2 Gen2、USB 2.0、2.5GbEデュアルLAN、3.5mmオーディオ
最大4画面8K同時出力対応で、プロフェッショナルなマルチディスプレイ環境を構築可能。
OCuLink対応の威力
外部GPU接続により、RTX 4090クラスのグラフィック性能も実現可能。ミニPCでありながらハイエンドゲーミングPCとしても機能する。

実際の専門家レビュー
高評価の声
ガルマックス(専門レビューサイト): 「さすが最上位モデル!謎の金属プレートが備わるなど装飾もなんだか豪華。筐体の質感もめちゃくちゃ良い」
PC Watch(西川和久氏): 「特に気になる部分もなく、Core Ultra 9 285Hを搭載し、いろいろな意味で少し余裕のあるミニPCを探しているユーザーに使ってほしい1台と言えよう」
TechRadar(海外専門レビュー): 「EVO-T1は、従来のミニPCが提供できる以上のものを求め、Intel技術を搭載した最高のミニPCを望むユーザーに最適な、パフォーマンス、柔軟性、ポータビリティを融合した前向きなマシンです」
秋葉原ぶらり(専門レビューサイト): 「USB Type-Cポートはデータ転送だけでなく、映像出力(DisplayPort)や給電(Power Delivery)にも対応する優れものです。このポート一つでポータブルモニターに映像を送りながら給電できた時は、そのスマートさに思わず感動しました」
改善要望の声
ガルマックス(BIOS設定について): 「それは控えめに言って超絶面倒くさい。正直、ファンの色を変えるボタンをパフォーマンス切り替えボタンにしろよと思った。初心者だとBIOSなんて怖くて触れんからな」
NotebookCheck(Wi-Fi規格について): 「より最新のWi-Fiモジュールが望ましく、内蔵のIntel Wi-Fi 6 AX201は6GHz帯(Wi-Fi 6E)をサポートしていません」
GAZLOG(サイズ感について): 「届いたとき何が来た?と驚いたぐらいです。一般的なミニPCが横に2つ収まるぐらいのサイズになっています」
主な課題と制約
サイズと設置性
154×151×73.6mm、重量910gと、一般的なミニPCより大型。モニター下への設置は困難で、十分なデスクスペースが必要。
操作性の課題
パフォーマンスモード(サイレント・バランス・パフォーマンス)の切り替えがBIOS経由となっており、初心者には操作が困難。
通信規格の制約
Wi-Fi 6対応だが、Wi-Fi 7には非対応。競合他社の最新モデルと比較して将来性に課題。
サポート体制について
GMKTECには日本専門チームが設置されており、土日祝日を除く営業日24時間以内の返信体制を整備。技術的な質問にも社内連携で迅速対応している。
お問い合わせ先: support@gmktec.com
※メーカー側は日本語サポート体制の充実を図っており、製品サポートについて積極的に対応している
価格とコストパフォーマンス分析
モデル | メモリ | ストレージ | Amazon価格 |
---|---|---|---|
標準 | 64GB | 1TB | 189,999円 |
大容量 | 64GB | 2TB | 198,999円 |
※2025年9月現在の価格(セール時は約15万円前後で販売される場合もある)
同CPUのGEEKOM IT15(32GB/2TB:126,900円)と比較すると価格は高めだが、64GB標準搭載、M.2スロット3基、OCuLink対応を考慮すれば合理的な価格設定。
こんな人には絶対おすすめ
✅ 購入を推奨する人
- AI研究者・開発者: ローカルAI環境の構築が最優先
- 4K動画クリエイター: 高性能と静音性の両立が必須
- セキュリティ重視ユーザー: データ外部送信を避けたい
- パワーユーザー: 拡張性を活かしたカスタマイズを楽しみたい
❌ 購入を避けるべき人
- PC初心者: BIOS設定などの技術的ハードルが高い
- コンパクト絶対主義: 設置スペースが極端に限られている
- 予算最重視: 10万円以下のミニPCで十分な用途
競合製品との比較
GEEKOM IT15との違い:
- EVO-T1の優位: M.2スロット3基、64GB標準、OCuLink、冷却性能
- IT15の優位: コンパクト設計、低価格、Wi-Fi 7対応
MINISFORUM AI X1 Proとの比較:
- EVO-T1: Intel派、拡張性特化、OCuLink
- AI X1 Pro: AMD派、Wi-Fi 7対応
最終評価と購入判断
総合評価: 4.4/5.0
GMKtec EVO-T1は、ローカルAI時代の要求に応える革新的ミニPCだ。やや大きめのサイズは、デスクトップ級性能と拡張性との引き換えとして十分に合理的。
最大の価値は、プライベートなAI環境をコンパクトに実現できること。企業の機密情報や医療データなど、外部送信できないデータのAI処理に威力を発揮する。
現在のAmazon価格189,999円(1TBモデル)で、この性能と拡張性を実現できるミニPCは他に存在しない。
AI開発、4K動画編集、セキュアなデータ処理を求めるなら、GMKtec EVO-T1は現時点で最適な選択肢の一つと言える。ミニPC界の新時代を切り開く一台として推奨する。

※本記事は2025年9月7日時点の情報に基づき作成。価格・仕様は変更される場合があります
コメント
ブログ担当者様
この度はGMKtec EVO-T1のレビュー記事をご掲載いただき、誠にありがとうございます。GMKTECの伊藤でございます。
当製品の性能や魅力をここまで詳細かつ丁寧に分析していただき、大変光栄に存じます。特に「ローカルAI環境の構築」や「圧倒的な拡張性」といった、EVO-T1の核心的な価値を深く掘り下げてくださったことに、心から感謝申し上げます。
また、読者の皆様に正直なご意見として「サポート体制への懸念」についてもご指摘いただき、真摯に受け止めております。
ご安心いただくため、この場を借りてご説明させてください。弊社には、お客様対応を専門とする日本チームがございます。お問い合わせには土日祝日を除く営業日24時間以内に、必ずご返信差し上げております。技術的なご質問につきましても、社内で連携を取りながら迅速にお答えできるよう努めておりますので、ご不明な点がございましたら、いつでもお気軽に support#gmktec.com(#を@に置き換えてください)までご連絡くださいませ。
今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
伊藤様
サポートについてご指摘いただきありがとうございます
提供いただいた情報にて記事内容を修正いたしました。
他にも間違えありましたらご指摘いただけると幸いです。
よろしくお願いします。